私の友達M子さんが
ファミリーホームをしています。
親が育てることのできない子たちを
引きとって
親に代わって育てています。
そこに
重度の障害を持ったY君がいました。
私が会ったときは5才くらいだったと思います。
脳性麻痺で肢体不自由なため
自分では歩くことも
食べることもできません。
言葉も
ほとんど喋れませんでした。
でも
あふれんばかりの
笑顔でした。
Y君のまわりには
Y君のためにと
自分のおやつを持ってくる
2歳の女の子がいたり
食べるのを手伝ってくれる
6歳の男の子がいたり
Y君の世話を甲斐甲斐しくしてくれる
高校生のお姉ちゃんがいたり
みんなお互い
血も繋がっていない
縁もゆかりもない子たちですが
Y君を囲んだ
優しいファミリーになっています。
私の友達は
Y君のために
施設をつくる
と言っていました。
「Yは自分のことは
何もできないけど
みんなの心を
優しくしてくれるのよ」
と嬉しそうに話してくれました。
もうすでに
土地は購入しています。
お金があるわけではなく
やると決めたら
やれるように
動く人なんです。
きっと
5年くらいしたら
Y君のための施設ができていると思います。
M子さんに会うと
いつも全力で人と向き合っている
迫力を感じます。
その迫力には
とてつもない愛が溢れています。
「会いに来てくれてありがとう
話を聞いてくれてありがとう」
と言われましたが、
私は、
自分の不甲斐なさを感じながらも
M子さんのような人間性に
少しでも近づけるよう
心を磨かねばと
決意をあらたに
ファミリーホームを
後にしました。